全集刊行の記録

Log and Archives

刊行前

    某年某月某日

    間宮幹彦(以下、全員氏名敬称略)、吉本隆明全集のプランを「目次」にまとめる。(いわゆる「間宮目次」)

    某年某月某日

    太田泰弘現晶文社社長、忘年会の席にて初対面の吉本隆明に個人的に激励を受ける。

    某年某月某日

    生前の吉本隆明、次女で作家の吉本ばなな(本名・真秀子)と間宮目次を見て、吉本隆明全集刊行を願う。

    2012.1/22

    吉本隆明、日本医科大学付属病院に緊急入院。以後同病院で加療。

    2012.3/16

    16日(15日深夜)肺炎により死去。行年87歳。通夜17日(土)、18日(日)築地本願寺和田堀廟所にて葬儀。9月15日同廟所の吉本家の墓に納骨。法名は釋光隆。

    2012.10/9

    吉本隆明の妻・和子、自宅で老衰により死去。行年85歳。11日(木)に通夜、12日(金)に葬儀。12月9日(日)に納骨。法名は釋清和。

    2012.12

    吉本ばなな、公式サイト上の「日記」で「父の晩年には放っておいても全集くらいは出るだろうと思っていた。 やりたいという編集者はいたし、目次まで編んでいた。 でも予算がどこにもないって言うわけだ。どの会社にもないと。」等と記す。(敬称略)

    2013

    2013.1

    吉本ばなな、同氏公式サイト上の日記に「全然違うルートからすばらしい手助けの話がやってきた。 」と記す。(敬称略)

    2013.4

    吉本ばなな、公式サイト上の日記に「いちばん父が出版社の人に言ってほしかったこと(全集を出させてもらえるなんて嬉しい 自分の最後の仕事に なってでもしっかりやります 吉本さんの仕事は残すべきものです)を全部魔法のように仏前で言ってくれた晶文社の太田社長のおかげで、いっそういい思い出になったとも言える。ほんとうにありがたい。聞いていてほんとうに「魔法みたいだ」「奇跡みたいだ」と思った。」と記す。(敬称略)

    2013.4/19 より具体的には、4月19日(金)付けでSNSにログが残っており。「なんと!今月のオレでボヤいたかいがあり、漢気爆発!晶文社さんが父の全集を出してくださることになりました」等とある。

    2013/10/28

    この日のSNSタイムライン上に、晶文社の吉本隆明全集内容見本の写真登場。11月初旬から配布開始。

    内容見本への寄稿者は、鶴見俊輔上野千鶴子福島泰樹糸井重里鷲田清一中沢新一見城徹よしもとばなな(当時の表記)、ハルノ宵子(本名・吉本多子)

    略年譜石関善治郎、全巻内容は間宮幹彦による。(敬称略)

    2013.11/22

    公式記録より実際はすこし早く、吉本隆明全集公式サイトモックアップが仮オープン(当初は仮ドメイン)。

2014

    2014.1/31

    公式ウェブサイト上で、小林康夫(敬称略)の全集推薦文を追加。

    2014.3/25

    第1回配本として第6巻(1959-1961)を刊行。月報執筆者:高橋源一郎ハルノ宵子)(敬称略)

    刊行と同時に「あの人が選ぶ、全集刊行記念フェアの本」を書店で開催。(選者:内田樹・中沢新一・茂木健一郎・宇野常寛)を全国の書店の協力で開催。アーカイブとして全集公式サイトに店頭のスナップ写真が残っているのは、紀伊國屋書店新宿本店、ジュンク堂書店池袋本店、B1st新宿店、喜久屋書店阿倍野店、ジュンク堂書店広島駅前店。(順不同:敬称略)

    当時の選書リストと店頭写真など 2014.4.11

    公式ウェブサイト推薦者に山本哲士(敬称略)を追加。

    2014.5/1

    紀伊國屋ビル竣工50周年特別企画第249回 新宿セミナー@Kinokuniya『吉本隆明全集』(晶文社)刊行記念トークセッション“吉本隆明のDNAをどう受け継ぐか”(出演:中沢新一・内田樹・茂木健一郎・宇野常寛・スペシャルゲスト:よしもとばなな)(敬称略)が新宿・紀伊國屋ホール(紀伊國屋書店新宿本店4F)開催された。


    2014/6/25

    第2回配本として第7巻(1962-1964)を刊行。月報執筆者:加藤典洋):ハルノ宵子(敬称略)

    2014.9/30

    第3回配本として第4巻(1952-1957)を刊行。月報執筆者:小林康夫ハルノ宵子(敬称略)

    2014.12/25

    第4回配本として第5巻(1957-1959)を刊行。 月報執筆者:北川太一ハルノ宵子(敬称略)

    2015

    2015.1/10

    NHK・Eテレ「知の巨人たち」第5回として「吉本隆明」(午後11:00~午前0:30)が放映された。

    2015.3/25

    第5回配本として第8巻(1961-1965)を刊行。月報執筆者:岡井隆ハルノ宵子(敬称略)

    2015.6/25

    第6回配本として第9巻(1964-1968)を刊行。月報執筆者:鹿島茂ハルノ宵子(敬称略)

    2015.9/25

    第7回配本として第10巻(1965-1971)を刊行。月報執筆者:芹沢俊介ハルノ宵子(敬称略)

    2015.12/25

    第8回配本として第11巻(1969-1971)を刊行。月報執筆者:磯崎新ハルノ宵子(敬称略)

    2016

      2016.3/25

      第9回配本として第12巻(1971-1974)を刊行。月報執筆者:中村稔ハルノ宵子(敬称略)

      2016.6.25

      第10回配本として第1巻(1941-1948)を刊行。月報執筆者:石川九楊ハルノ宵子(敬称略)

      2016.6/12

      連続イベント第1回「詩と科学の魂をつなぐ」(橋爪大三郎・水無田気流(敬称略)が東京堂書店神田神保町店6階・東京堂ホールで開催された。

      2016.9/30

      第11回配本として第2巻(1948-1950)を刊行。月報執筆者:蓮実重彦ハルノ宵子(敬称略)

      2016.12/30

      第12回配本として第3巻(1951-1954)を刊行。月報執筆者:吉増剛造芦田宏直ハルノ宵子(敬称略)

      第1期完結

      第1期として第1巻から第12巻の刊行を終える。

      2017

      2017.4/7

      晶文社刊『吉本隆明と「共同幻想論」』の刊行記念に、著者山本哲士(敬称略)によるトークイベントが新宿区矢来町の読書人スタジオで開催された。

      2017.4/25〜7/22

      代田区立千代田図書館・晶文社の主催で、千代田図書館9階・展示ウォールで「パネル展「10分で出会う吉本隆明展 〜晶文社『吉本隆明全集』によせて〜」」を開催

      2017.4/15

      晶文社『吉本隆明全集』連続イベント第2回として「はじめての吉本隆明」(糸井重里・ハルノ宵子(順不同・敬称略)を上野寛永寺輪王殿第一会場で開催

      ※当日の対談内容は、「週刊読書人」2017/6/2号に採録された。

      2017.5/10

      第13回配本として、川上春雄宛の全書簡のほかに、川上春雄が作成した様々な吉本隆明関連資料を収録した第37巻(書簡集1)を刊行。月報執筆者:山根貞男:田中和生:ハルノ宵子(敬称略)

      2017.5/24

      千代田図書館で講演会「ビジネスに活かす「吉本隆明」」が開催された。講師(山本哲士)(敬称略)

      2017.9/14

      第14回配本として、第13巻(1972-1976)を刊行。月報執筆者:宇佐美斉:橋爪大三郎:ハルノ宵子(敬称略)

      2017.12/19

      第15回配本として、第14巻(1974-1977)を刊行。月報執筆者:藤井貞和:水無田気流:ハルノ宵子(敬称略)

    2018

    2018.4.7

    第16回配本として、第15巻(1974-1978)を刊行。月報執筆者:佐々木幹郎:三砂ちづる:ハルノ宵子(敬称略)

    2018.6.17

    全集特設サイトほぼ改築なる。

    2018.6.30

    第17回配本として、第16巻(1974-1978)を刊行。月報執筆者:長谷川宏:荒川洋治:ハルノ宵子(敬称略)

    2018.9.30

    第18回配本として、第17巻(1976-1980)を刊行。(往復書簡集として企図された)ミシェル・フーコー宛書簡を初めて収録。また、AReaderで、吉本隆明さんの書斎をAR(拡張現実)動画で観ることのできるコードを帯に印刷)。月報執筆者:北川透:竹田青嗣:ハルノ宵子(敬称略)

    2018.12.22

    第19回配本を前に第18巻の見本誌が届く。胸が高鳴る瞬間。奥付は12/30発行日ですが、流通の都合等により、店頭でご覧いただけるのは新年になるかと存じます。1月10日の予定です。悪しからずご了承くださいますよう。

    2018.12.23

    第19回配本を前に大幅改装。テーマ色と本文部分の真っ白をを紺色から全集の雰囲気の色に。生成りの紙の色と全集表紙の佃んべえの茶色いモノグラムの色。それに伴いロゴなど手作業で色替え。サイトマップ月報正誤などページもほとんど揃ってきた。

    2019

    2019.1/10

    第19回配本として、第18巻(1980-1982)を刊行。月報執筆者:安藤礼二:山本かずこ:ハルノ宵子(敬称略)(今はまだ2018年だがここに記す)

    2019.4/4

    第20回配本として、第19巻(1982-1984)を4/25に刊行予定。月報執筆者:小池昌代:島亨:ハルノ宵子(敬称略)
    それから、最初にNHKアーカイブスに2014年度放送番組として公開されていた「戦後史証言プロジェクト 日本人は何をめざしてきたのか:2014年度「知の巨人たち」:第5回 自らの言葉で立つ 思想家 〜吉本隆明〜」が、番組へのリンクではなく、「NHK戦争証言アーカイブス」として3つに分かれている。リンクを修正するのもメニューの文字を変更するのも大変。

    2019.9/12

    第21回配本として、第20巻(1983-1986)を8/26刊行予定のところ編集の万全を期するため9/12に延期して刊行。収録年限も1983-1987が1986までとなっている。月報執筆者:中島岳志:岩阪恵子:ハルノ宵子(敬称略)

    2019.9.17

    読者の方から、この全集に「初収録」のものはどれかわかるようにしたらどうであろうかというありがたいご提案をいただいた。まず第20巻のページで、初収録された32篇に紫色と赤の「初」タグを付けた。それぞれの色の意味は紫色は、猫々堂さんから出ている『吉本隆明資料集』にも収録されているもの。赤のほうは、今回の編集で見いだされ晶文社版吉本隆明全集に初収録されたもの。

    2019.9.19

    丸に「初」ではわかりにくいのと少し大きめになるので、タグではなくバッジという方法で、文章の前に「初収録」と付けるように変更。

    2020

    2020.1

    COVID19コロナウィルスが世界中を混乱に陥れ始めた。

    2019.1/10

    第22回配本として、第21巻(1984-1987)を刊行。月報執筆者:川本三郎:石森洋:ハルノ宵子(敬称略)(今はまだ2019年だがここに記す)

    2020.1/16

    第21巻(1984-1987)月報には第20巻の修正情報あり。

    2020.4/22

    第22回配本として、第22巻(1985-1989)を刊行。月報執筆者:先崎顕彰:ハルノ宵子(敬称略)

    2020.8/26

    第23回配本として、第23巻(1987-1989)を刊行。月報執筆者:川村湊:金子遊:ハルノ宵子(敬称略)

    2021

    2021.1/3

    COVID19コロナウィルスが世界中を混乱に陥れた翌年の正月から巣ごもりで作業中。第24巻は1月初旬から下旬刊行に変更となった。吉本さんだったらコロナをどう論じたであろうかなどと妄想する。

    2021.3/24

    書籍の価格表示4月から強制実施らしいので対応。例の文書にはURLとかさらっと書いてあるが、数百数千のページを持つ場合、プログラムを書いて自動書き直しの方が速いだろうが、人間の手間が要るんだよねえ。打ち直しでもスクリプトでも。その確認も。想像力がないのは困る。

    2021.4/12

    3月末刊行予定だった25巻の情報が、突然近刊に出てきた。第3期が出る。嬉しいが情報公開が遅い。遅いのに速すぎて今日時点3つのネット書店にリンクなし。作業が間に合わないと弱気になって半泣き。25巻関係のところは既存のデザインでページを作成している。コロナのせいで、こういう子供みたいことが増えている。このページのタイトルの意味は深いぞ。私は愉しく仕事がしたい。

    2021.4/27

    第25巻発売!

    2021.8/26

    第26巻発売!

    2021.12/28

    晶文社仕事おさめの今日、第27巻(第28回配本)発売!
    サイトデザインの全面更新は来年になる(ドメインも変わるかもしれない。用意はしてあるけれど・・・:https://yoshimoto-takaaki.com/現行デザインではもう大きな画面のパソコンでもメガメニューには文字がみっちり。

    2022

    2022.04.27

    第29回配本として、第28巻(1994-1997)を本日!刊行。吉本さん!相変わらず世界はコロナ禍の中にあるのに、なんとロシアとウクライナが戦争中。こういうとき、あなたの声を聴きたいとなぜか思う。
    月報執筆者:辺見庸:道浦母都子:ハルノ宵子(敬称略)(28巻から、既刊分の修訂箇所、全集が完結してからまとめてと予定していたものを解題のあとに追加開始。28巻には第1巻から7巻分までの修正等を掲載。

    2022.08.16

    29日に、第30回配本として、第29巻(1993-1997)刊行予定。

    2022.08.29

    予定通り29日に、第30回配本として、第29巻(1993-1997)刊行。

    2022.12.25

    27日に、第31回配本として第30巻が出る。『試行』に1970年から1997年の終巻まで載った、心的現象論が121篇。あと今回は見本誌をいただけなかったので実見確認していないが、今までの巻になかった「索引」というのが目次に出ている!既刊訂正分はどうなっているのだろう。それにしても昨日はイブで今日はクリスマスではなかっただろうか。なんで作業しているんだ俺(泣)第30巻(1970-1997)刊行は27日だって。

    2023

    2023寒い時期

    30巻に関して、前代未聞のことが起きた。30巻をリコールしてもう一回「正しい」ものを出し直せというのがWebに出たのだ。書かないでおくと『消える」ので書いておくことにする。ちなみにリコールという言葉を一種の当事者として聞いたのは私は初めてで、小学校だか中学校の社会科の授業以来だったから、「リコール?」と耳(目)を疑った。シュワルツェネッガー主演のそんな名前の映画もあった。あれは寺沢武一さんの漫画『コブラ』と冒頭がそっくりだ。

    2023.05.26

    4月刊行予定だった第31巻が待ちに待ってたやっと出た(セブンネットで昨日出ていたから、実際にはもう流通している)。なんとまあ第32回配本となる。最初の十冊くらいの時はこのページのデザインも違った。思えば遠くに来たものだ。さて山登りと同じで、大変なのはここからだ。第31巻(1998-1999)刊行は26日。

    2023.09.12

    25日に出る32巻の情報封鎖解禁。第32巻(1990-2001)刊行前に、これは一種の儀式だが、当時の単行本(32巻には三冊)を読む。気合いが入れば初出誌・紙で読むのだが。

    2023.12.11

    明日、ハルノ宵子さんの『隆明(りゅうめい)だもの』刊行。素晴らしい本。表紙のイラストからしてB全ポスターにしたいくらい。(でも、別バージョンでは吉本隆明さんが北斗の拳の主人公みたいだったときく)。そうか、たかあき、ではなく、りゅうめい、なのか。第34回配本になる『第33巻』(1999-2001)は26日刊行予定

    2023.12.23

    第33巻』(1999-2001)見本誌で作業、とても面白い。でも今日は土曜日で明日は日曜日のクリスマスイブだ。

    2024

    2024.03.16

    今年も吉本隆明さんの命日

    2024.03.27

    4月30日に出る『第34巻』(1990-2004)の情報が少しだけ公開された。

    2024.04.03

    正しい定価、個別ページ(https://www.shobunsha.co.jp/?p=8203)など、ようやく揃ってきた。でも月報のタイトルなどまだだ。

    2024.04.26

    4月30日に出ます『第34巻』(1990-2004):月報執筆者:上村武男さん:清岡智比古さん(敬称略)』。

    2024.08.23

    9月19日に出るという情報が、「刊行予定」ではなく社外サイトに出た。第35巻』(2004-2007):月報執筆者:島尾伸三さん:末次エリザベートさん(敬称略)』

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