2019.9/12刊行 既刊 20 1983-1986

吉本隆明全集第20巻

1983-1986


埴谷雄高との論争「重層的な非決定へ」と『死の位相学』の序に代えて書き下ろされた「触れられた死」などの評論・エッセイと連作詩の最後の時期を収める。第21回配本。単行本未収録32篇。(本について/詩について/阿蘇行/放射能とわたし/北川太一の印象/遭わなくなってからの清岡卓行の詩/松岡祥男について/高橋留美子の世界/編集者としての安原顯 他)

第21回配本既刊 2019/09/12
月報執筆者(順不同・敬称略)

「和讃」について

中島岳志

書く習慣

岩阪恵子

'96夏・狂想曲

ハルノ宵子

ISBN 978-4-7949-7120-3 C0395
価格 定価7,480円
(本体6,800円+税10%)
判型・造本 A5判変型・上製
ページ数 648頁

20第20巻訂正・補記箇所 ■刊行後の訂正箇所です

六三七・上・18、六三八・上・18 『追悼私記増補追悼私記』とその文庫本←『追悼私記』とその文庫本
六四一・下・9 『鳩よ!』←『鳩よ!』(!が欧文イタリック体)
六四五・上・19 『ゆるやかな街』(第一六巻三五七ページ)を原型とし、わずかな手直しの上『記号の森の伝説歌』の「Ⅱ 戯歌」の第三パートに組み込まれたものだが、行アキなどの異動がある。←「ゆるやかな街」(第一六巻三五七ページ)だが、語句、行替えなどの異動がある
補記(1)~(3)の考え方は

月報(編集部より)第20巻(第21回配本)(2019/09/12)

第21巻「編集部より」(2020/01)から転載)

第20巻解題645ページの「表現機械としてのワープロ」の項の註を次のように修正しておきます。
五四四・13 最終的にはつぎのようになった。=この詩は「『野性時代』連作詩篇15」の「ゆるやかな街」を原型として手直しされた。『記号の森の伝説歌』の「II 戯歌」の第三パートを指しているが、「最終的には」なおわずかな異動が生じた。

(#記述事項は発刊時のものです)

*次回配本(第22回)は、第21巻(2019年12月下旬)を予定しております。

I

  • 祖母の影絵 [『野性時代』連作詩篇63]
  • 風文字 [『野性時代』連作詩篇64]
  • 字の告白
  • 「さよなら」の椅子 [『野性時代』連作詩篇65]
  • 余談
  • 声の葉
  • 深さとして 風のいろとして
  • 活字のある光景
  • 活字都市

II

  • 大衆文化現考
    • ロック・グループの世界ビートたけし芸の変貌「戦場のメリークリスマス」地崩れして動く劇画現在の名画の条件「YOU」の中の糸井重里リンチ機械としてのテレビ小劇団の場所/三浦和義現象の性格オモチャ・ショー「オールナイトフジ」論/ロス五輪私感/夏を越した映画/エレクトロニクスショー光る芸術のこと/ハイ・コミュニケーションに触れるファッション・ショー論クイズ番組論テレビCMの変貌
  • 季評・大衆文化
    • 科学万博印象記初収録 映画の話初収録 ふたつの出来事初収録 退場にあたっての弁

  • n個の性をもった女性へ
  • 告別のことば――橋川文三――
  • 初収録 未踏の作業――渡辺寛『流され王の居場所』
  • 映像から意味が解体するとき
  • 情況への発言――中休みのうちに[一九八四年五月]
  • ミシェル・フーコーの死
  • スケベの発生源
  • 『ゴルゴダのことば狩り』について
  • 山本育夫小論
  • ファッション
  • 情況への発言――中休みをのばせ[一九八四年一一月]
  • 江藤淳についてのメモ
  • 私の町――谷中・団子坂・駒込吉祥寺
  • 政治なんてものはない――埴谷雄高への返信
  • 元祖モラトリアム人間
  • 思い出の劇場――海辺の劇場
  • 初収録 北川太一の印象
  • 重層的な非決定へ――埴谷雄高の「苦言」への批判
  • 情況への発言――中休みの自己増殖[一九八五年七月]
  • 初収録 マラソンについて
  • 触れられた死
  • 異論を介しての『火まつり』
  • 現代電波絡繰試論
  • ニューヨーク・ニューヨーク
  • 一枚の絵――カンジンスキイ「バラ色の諧調」
  • 佃ことばの喧嘩は職業になりうるか

  • 文化の現在
    • 現在を読む120冊の本――現在・準現在・準古典・古典

  • 中沢新一を真っ芯で。
  • 恐怖・不安・孤独――近未来と恐怖映画
  • 遇わなくなってからの清岡卓行の詩
  • 松岡祥男について
  • 初収録 阿蘇行
  • 初収録 「黒澤充夫・辞典のための挿絵展」のために
  • 初収録 本について
  • たった一つの黄金風景
  • 初収録 詩について
  • 初収録 10年先の、僕の恋人たちの風景
  • 『それから』という映画
  • 文学者と戦争責任について
  • 情況への発言――雑多な音響批判[一九八六年二月]
  • 初収録 食うべき演劇
  • イエスの方舟・千石剛賢
  • 初収録 高橋留美子「めぞん一刻」
  • 初収録 「主題」という幻化または「幻化」という主題[山崎哲]
  • 少年の日の界隈
  • 初収録 高村光太郎の書
  • 初収録 編集者としての安原顯
  • こだわり住んだ町
  • 『アンチ・オイディプス』論――ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ批判
  • 傾面の映画――『山の焚火』
  • 『日本の原像』註記
  • ふた色の映画
  • 表現機械としてのワープロ
  • 国語の教科書
  • わたしの現況
  • 初収録 蠢めく家族――安田有『スーパーヒーローの墓場』
  • 鮎川信夫――別れの挨拶
  • 島尾敏雄氏を悼む
  • 権力について――ある孤独な反綱領
  • 情況への発言――海路の日和[一九八六年一一月]
  • 歯について

III

  • 『野性時代』アンケート
  • 初収録 電話アンケート スターリンがメジャーになるには?
  • 初収録 『夕刊イトイ』復刊お祝いコメント
  • 初収録 坂本龍一コンサート「MEDIA BAHN」
  • 初収録 執筆者コメント
  • 初収録 ウイークリー・データ一九八四・九・一〇〜一六
  • ボクの二十代
  • 初収録 「書店」を語る
  • 原子力エネルギー利用は不可避
  • 初収録 田原克拓『続・性格と心の世界』
  • 初収録 山崎龍明『仏教の再生』
  • 初収録 親鸞理解に不可欠の存在――石田瑞麿
  • 初収録 野戦攻城の思想[橋川文三]
  • 初収録 田原克拓『初期・性格と心の世界』
  • 初収録 E・M・シオラン『歴史とユートピア』
  • 初収録 文芸史の新しい波――『日本文芸史』
  • 初収録 「問いと答え」――『室生犀星未刊行作品集』
  • 『対幻想』まえがき
  • 『死の位相学』あとがき
  • 『重層的な非決定へ』あとがき
  • 『難かしい話題』あとがき
  • 『恋愛幻論』あとがき
  • 『さまざまな刺戟』あとがき
  • 初収録 著者のことば――『吉本隆明全集撰』
  • 結合について――『白熱化した言葉』序
  • イメージとしての文学――『白熱化した言葉』あとがき
  • 対談を終えて――『知のパトグラフィー』あとがき
  • 『都市とエロス』あとがき
  • 『漱石的主題』まえがき
  • 『試行』第六二〜六六号後記

解題(間宮幹彦)

「初収録」表示について

初収録 ・・・本全集に初収録&猫々堂刊『吉本隆明資料集』に収録
初収録 ・・・本全集に初収録

吉本隆明全集menu