吉本隆明全集第27巻

1992-1994


最後の詩「わたしの本はすぐに終る」、および「現在」という作家と日々生み出される作品の作者たちの関心のありかを結びつけて論じる『現在はどこにあるか』などを収める。

第28回配本 既刊 2021/12/28刊行

月報執筆者(順不同・敬称略)

出会いと別れ

末次弘

吉本隆明の描いた小林秀雄

前田英樹

非道な娘

ハルノ宵子

ISBN 978-4-7949-7127-2 C0395
価格 定価7,300円
(本体6,700円+税10%)
判型・造本 A5判変型・上製
ページ数 662頁

27第27巻訂正・補記箇所 ■刊行後の訂正箇所です

【六三七・下・8の「連載が続けられ、」の後に、以下の文を補う。】
『超資本主義』にまとめられる「情況との対話」の連載が始まり、
【誤記訂正】 六四六・下・14 『モルフォロギア』←『モルフォギア』
補記(1)~(3)の考え方は

月報(編集部より)第27巻(第28回配本)(2021年12月)

*(記載事項なし)

(#記述事項は発刊時のものです)

I

わたしの本はすぐに終る

II

現在はどこにあるか
 現在への追憶
 反現在の根拠
 物語のゆらぎ
 マス・カルチャーからの認識
 私小説は悪に耐えるか
 輪郭は作れるのか
 お伽話の距たり
 奇妙な世界に行く
 ビジネス書の内と外
 擬人化の世界
 伝記的ということbr>  自然と死の物語
 詩の順序
 経験知の世界
 あとがき

III

大西巨人『神聖喜劇』
「路たり」を記述すること――色川武大『私の旧約聖書』――
「笑」はどこへ行った。
おもろさうし 初収録
おもろさうしとユーカラ
隅田川昨今 初収録
『遠野物語』の意味 初収録
情況への発言――さまざまな死――[一九九二年五月]
「書評」を書く難しさ
長谷川慶太郎・鷲田小彌太『21世紀の世界をさぐる――マルクス主義を超えて――初収録
今西錦司――ただ一度の出会い――
バタイユの「悪」について 初収録
幼児のころの沖縄のイメージ
前登志夫の呪術性と野生 初収録
井上光晴の声
中上健次氏を悼む
三木成夫について
人に読んでもらいたいオーソドックスな十冊――思想書べスト10――
思い出の本
背景の記憶
漱石の描いた理想の女性像
わが読書
清岡卓行の大連
清水さんの社会学 初収録
百人一首の遊び
茂吉短歌の初期――『赤光』について―― 初収録
イザイホーの象徴について
私の実朝像 初収録
卵をめぐる話 初収録
桜について
胎児という時期
絶望的かつ楽天的な、日本の思想書――思想書(日本)ベスト50――
隅田川有情
出口裕弘『夜の扉』 初収録
吉本ばななをめぐって
饗庭孝男『西行』 初収録
わが古典――太宰治『黄金風景』――
斎藤茂吉の歌の調べ
読むことの愉しみ
二葉亭の文学 初収録
東京に住む
三木成夫さんについて
親鸞の十八願 初収録
平林一様 初収録
おみくじ「兇」の一年
作者の資質の根をあらわにした短篇――短篇小説ベスト3――
横溢する生命エネルギーとの交歓――岡本かの子『女体開顕』――
情況への発言――ひそかな経済工学――[一九九三年一二月]

IV

社会風景論
金丸信保釈の日/山崎浩子の場合/PKO有情/政治改革の話/言葉がこわす話/角川春樹について/古都の話/コメをめぐる奇譚/プロ野球のFA騒ぎ/初詣の感想/相撲見物期/科学技術の先端/科学離れということ/わたしの景況判断/迷走する政治劇/大情況の話

時代という現場
料理・人・味/矢負いガモと連合赤軍/不況への関心/言葉なき華麗な物語/サムサノ夏/ゴミ当番の感想/田中角栄の死/またけむ人/「現在」を感じる/核疑惑のこと/中学教育/人間の適応力

V

慶祝三十周年 初収録
基調講演「都市美の伝統と現在」コメント 初収録
『鳩よ!』に寄せる言葉があれば 初収録

わが生涯の愛読書
’93単行本ベスト3

孤独で華のある軌道を歩み、知識の生きるべき帯域を示す[清水幾太郎] 初収録
大西巨人『三位一体の神話』 初収録
フォレスト・カーター『リトル・トリー』 初収録
町沢静夫『天才の法則』 初収録
選者の弁 初収録
橋本一子さんの音、声、空気。 初収録
二度きた北山修さん 初収録
笠原さんのいちばん重要な思想 初収録

『良寛』あとがき
『見えだした社会の限界』あとがき
『大情況論』あとがき
『新・書物の解体学』あとがき
『追悼私記』あとがき
『時代の病理』はじめに
『世界認識の臨界へ』あとがき
『こころから言葉へ』まえがき
『〈非知〉へ―― 〈信〉の構造「対話篇」』序
『〈非知〉へ――〈信〉の構造「対話篇」』あとがき
『試行』第七一、七二号後記 初収録


解題(間宮幹彦)

「初収録」表示について

初収録 ・・・本全集に初収録&猫々堂刊『吉本隆明資料集』に収録
初収録 ・・・本全集に初収録&猫々堂刊『吉本隆明資料集』&筑摩書房『吉本隆明(未収録)講演集』に収録
初収録 ・・・本全集に初収録
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