吉本隆明全集第34巻(吉本隆明全集34)

1990-2004


第34巻は1990年から2004年にかけての文章を収録刊行した3冊の単行本などを収録。
すなわち『吾輩は猫である』『夢十夜』などの漱石の12の作品を論じた『夏目漱石を読む』(小林秀雄賞受賞作)英国留学と満韓の旅を論じた『漱石の巨きな旅』、新聞雑誌の社会・政治時評を再構成した『吉本隆明のメディアを疑え』などを収める。単行本未収録47篇。第35回配本。

第35回配本 現時点最新刊 2024/04/30刊行

月報執筆者(順不同・敬称略)

『隆明だもの』の読後に

上村武男(文芸評論家・神職)

ひとつの街がありそこで住んでいた

清岡智比古(フランス語学者・詩人)

ISBN 978-4-7949-7134-0 C0395
価格 定価7,810円
(本体7,100円+税10%)
判型・造本 A5判変型・上製
ページ数 704頁

月報(編集部より)第34巻(第35回配本)(2024年04月30日)

編集部より

吉本隆明さんの書簡を探しています。お持ちの読者の方がいらっしゃいましたら、封書の場合は、文面、封筒の表・裏、はがきの場合は、はがきの表・裏の複写をご提供いただければ幸いです。

次回は2024年9月に第35巻の発売を予定しております。

(#記述事項がある場合、内容は発刊時のものです)

I

夏目漱石を読む


〈渦巻ける漱石〉
 『吾輩は猫である』
 『夢十夜』
 『それから』
〈青春物語の漱石〉
 『坊っちゃん』
 『虞美人草』
 『三四郎』
〈不安な漱石〉
 『門』
 『彼岸過迄』
 『行人』
〈資質をめぐる漱石〉
 『こころ』
 『道草』
 『明暗』

 あとがき

漱石の巨きな旅


  序章 二つの「旅」の意味
〈一部〉「英国留学」の旅
〈二部〉「満韓ところどころ」の旅
漱石年譜ノート
あとがき


II

吉本隆明のメディアを疑えあふれる報道から「真実」を読み取る法


1章 見えない政局の「実態」を読み解く
2章 テロと宗教の語られない「本質」
3章 少年犯罪の影にある「真相」
4章 エコノミストが語らない「真実」
5章 あらゆる事件に隠れた「思想」を読む
あとがき


III

『吉本隆明のメディアを疑え』


手の挿話
カリスマ的 初収録
四季の愉しみ
季節の変わり目に――TVを読む2 初収録
外れたプロ野球予想――TVを読む3 初収録
深夜番組で見た健康器具――TVを読む5 初収録
精養軒のビア・ガーデン
無意識のナショナリズム――TVを読む12 初収録
素人予想を超えた活躍――TVを読む13 初収録
芋ようかんと殺気
提灯のあかりに
三粒の木の実
本についての悪 初収録
21世紀最初の1日 初収録
詩学叙説――七・五調の喪失と日本近代詩の百年
詩学叙説・続――初期象徴詩の問題
上野のかたつむり
ヘンミ・スーパーの挿話
「アジア的」ということ
同時多発テロと戦争 初収録
テロと戦争
田中真紀子更迭劇
裏切り続ける民衆の期待 初収録
まだ子供の政治
戦後史の難点とは 初収録
順をぢの第三台場 初収録
自転車哀歓
銭湯の百話
島・列島・環太平洋への考察
佐渡、洗練の味 初収録
新訳書の話 初収録
自己慰安から普遍性へ 初収録
空閑地 初収録



IV

西行の色 初収録
偲大原富枝
大原富枝 碑文 初収録
高村光太郎『道程』
森鷗外『高瀬舟』
吉田一穂について
西川俳句について 初収録
「十七歳ということについて」を読んで 初収録
「将たる器」の人――島成郎さんを悼む 初収録
五言絶句「総為疎世用」――「良寛さん」展から 初収録
本多秋五さんの死 初収録
高知聰さんを悼む
埴谷さんの訓戒 初収録
J・H・ファーブル『昆虫記』 初収録
「夢たち」に寄せて
川上春雄さんを悼む 初収録
川上春雄さんのこと 初収録
永遠と現在――親鸞の語録から
石川九楊著『日本書史』を読む
反骨の数学者 遠山啓 初収録
知っている限りで「SMAP」のこと 初収録
石原吉郎「北條」 初収録
入沢康夫と天沢退二郎
谷川雁のことなど 初収録
中沢新一『チベットのモーツァルト』 初収録
檀一雄『太宰治と安吾』 初収録
三好十郎のこと 初収録
折口信夫のこと 初収録
高橋源一郎について――完黙の詩人 初収録
大塚睦――清冽な色彩と繊細な線に守られた前衛画家 初収録
中原中也について 初収録


V

田近さんは、日本で屈指のインタビュアーだ 初収録
『精神分析事典』推薦文 初収録
秋元戯曲のある特色 初収録
生得の古典[中村稔]
週刊新潮掲示板 初収録
私が選ぶ20世紀の3冊 初収録
受賞者の言葉 初収録
声と響き初収録

『中学生の教科書――美への渇き』「社会」あとがき[注:34巻には「あとがき」部分を収録、本文は次回配本35巻に収録される
『だいたいで、いいじゃない。』はじめに
『追悼私記』文庫版あとがき
『超「20世紀論」』(上)まえがき
『超「20世紀論」』(下)まえがき
『〈老い〉の現在進行形〉まえがき
『日本近代文学の名作』はじめに
『悪人正機』あとがき
『心とは何か 心的現象論入門』あとがき
『読書の方法――なにを、どう読むか』あとがき
『老いの流儀』はじめに
『超「戦争論」』(上)まえがき
『超「戦争論」』(下)まえがき
『ひきこもれ――ひとりの時間をもつということ』あとがき
『日々を味わう贅沢』あとがき
『現代日本の詩歌』はじめに
全詩集へのあとがき
『天皇制の基層』文庫版まえがき
『人生とは何か』あとがき
『悪人正機』文庫版あとがき


解題(間宮幹彦)


「初収録」表示について

初収録 ・・・本全集に初収録&猫々堂刊『吉本隆明資料集』に収録
初収録 ・・・本全集に初収録&猫々堂刊『吉本隆明資料集』&筑摩書房『吉本隆明(未収録)講演集』に収録
初収録 ・・・本全集に初収録
初収録 ・・・上記以外の初収録

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