既刊分 3 1951-1954

吉本隆明全集第3巻

1951-1954

第12回配本 2016/12/30


「「日時計篇」以後」の詩稿群を完全収録

第3巻には、「日時計篇」の後半部と『転位のための十篇』など発表詩の初期異稿を含む21 篇を新たに拾遺した「「日時計篇」以後」の詩稿群を完全収録。大学の特別研究生を修了し、東洋インキ製造株式会社に就職・勤務の日々に書き継がれ、2冊の私家版詩集発行に結実する膨大な詩稿群を中心に収録。

第12回配本(第1期完結)既刊 2016.12/30
月報執筆者(順不同・敬称略)

 沈黙の言語

吉増剛造

「転向」について

芦田宏直

 eyes

ハルノ宵子

ISBN 978-4-7949-7103-6 C0395
価格 定価7,700円
(本体7,000円+税10%)
判型・造本 A5判変型・上製
ページ数 824頁

3第3巻訂正・補記箇所 ■刊行後の訂正箇所です

八一〇・2 土ケ色←土気色
【原稿の片仮名略記を生かす。著者の片仮名略記の癖は、評論文ではすべて漢字に校訂したが、詩では後年の『記号の森の伝説歌』でもそのまま残されたので、まして草稿ではその癖を生かした方が妥当と判断した。】
七三六・15 キソ工事←基礎工事
七八二・7 危キ←危機
【原稿の片仮名略記を生かす。】
八〇六・上・3〔六一〇・2〕 土ケ色=←土気色の片仮名略記。
【本文の訂正にともなって、右(Webでは上)のように訂正する。】
八〇八・上8-13「予測は百パーセント的中した」と川上春雄は書いている。
いつこれらの詩篇を入手したかは明言されてはいないが、一九七〇年九月頃であると推定される。(第三七巻収録資料「著作集編纂を委かされた川上春雄氏」参照)。また「現在までに発見された旧詩稿には、〔以下、同文ママ〕
【(  )内の資料によって訂正する。】
八二〇・上・6〔七三六・15〕 キソ=「基礎」の片仮名略記。
【本文の訂正にともなって、右(Webでは上)のように訂正する】
八二三・上・12〔762・7〕 危キ=「危機」の片仮名略記。
【本文訂正にともなって、右のように訂正する】


補記(1)~(3)の考え方は

月報(編集部より)第3巻(第12回配本)(2016/12/30)

(#記述事項は発刊時のものです)

*第2巻の解題800ページに誤りがありました。上段3行目に、[1951.14.30]とありますが、正しくは[1950.04.30]です。訂正してお詫びいたします。<第2巻

*なお、正誤その他の訂正表は、最終配本の際に一括して掲載する予定です。

*吉本隆明さんの書簡を探しています。お持ちの読者の方がいらっしゃいましたら、封書の場合は文面、封筒の表・裏、はがきの場合は、はがきの表・裏の複写をご提供いただければ幸いです。

*次回配本は第37巻を予定しております。川上春雄宛書簡に合わせて、日本近代文学館に所蔵されている川上ノートなど資料の収録を検討しており、編集上の万全を期するため、2017年4〜5月の刊行を予定しています。何卒ご寛恕賜りますようお願い申し上げます。

I

日時計篇(下)

〈還らざる歌〉□〈生の隔絶のうしろにあるもの〉□〈穢悪の時代〉□〈この寂寥の根にあるもの〉□〈寂寥に眼をかすもの〉□〈冬のなかの心景〉〈惨像〉□〈わたしたちのうちで亡びゆくもの〉□〈天荊〉□〈冬の歌〉[わたしは冬を・・・・・・]□〈剝離された風景〉□〈絵画のやうにきた冬〉□〈冬の遺書〉□〈冬を監視する者の歌〉□〈冬が逝く〉□〈歳月のなかの空洞〉□〈詩の形で書いた非宗教的な説教〉□〈冬のまんなかにたつとき〉□〈わたしを信じない歌〉□〈虐げられた冬〉□〈もつと真なるもの〉□〈冬の奇跡〉□〈裂風のとき〉□〈冬の掟ての歌〉□〈暗い歌〉□〈冬〉□〈第一の歌〉□〈愛の絶えざる歌〉□〈雪が都会を埋める〉□〈冬の歌〉[きめこまかく・・・・・・]□〈酷しい冬〉□〈記されない愛〉□〈冬のかげに〉□〈死びとをかくまふ歌〉□〈夕日のある風景〉□〈冬のうた〉□〈冬の歌〉[わたしたちは・・・・・・]□〈禁制の歌〉□〈降誕祭前夜〉□〈冬風の鳴る夜の歌〉□〈余燼〉□〈暗い冬〉[街樹の葉が・・・・・・]□〈墓掘り人を憎む歌〉□〈渇いた二月〉□〈雪の暗いときの歌〉□〈暗い冬〉[巨大なビルデイングの・・・・・・]□〈冬のとき仲間たちのための歌〉□〈ふたつない訣れ〉□〈凩がやむときわれらの陰にさすもの〉□〈冬の歌〉[冬のなかに・・・・・・]□〈冬眠〉□〈衣をつけた忍辱〉□〈独りでゆく冬〉□〈薄ももいろの冬〉□〈真をまもるもの〉□〈冬の花屋〉□〈発端〉□〈断ちがたい冬〉□〈転身〉□〈遇ひにきた冬〉□〈祝福をうけない男〉□〈冬のための哀歌〉□〈春がちかいといふ〉□〈遠くへ放つ小鳥〉□〈わがままな撰択〉□〈ある追悼詩〉□〈傷を負つた春〉□〈ソクラテス以前〉□〈複本〉□〈軛にかけられた自画像〉□〈わたしの傍にあるものに〉□〈泥まみれになつた道〉□〈時間をかけた自画像〉□〈暗い晩冬〉□〈非宗教的な祈禱〉□〈瞋りをかすもの〉□〈冬のあと〉□〈壁画のやうな詩〉□〈詩への敬礼〉□〈ぼくらの国の黄昏は何処で夜になるか〉□〈ぼくらの傍に春がきてゐる〉□〈駅丁〉□〈偽使徒〉□〈来歴〉□〈わたしたちもまた時代のやうに暗い〉□〈不安な季節〉□〈詩でかかれた鼓舞のうた〉□〈暗い春の絵〉□〈晩冬のうた〉□〈崩壊期〉□〈凱歌〉□〈未知なものに〉□〈噴火〉□〈たのみがたい春〉□〈反抗期〉□〈視えない花びら〉□〈囚虜の時代〉□〈奇形な春〉□〈決められた春〉□〈征服されない人々に〉□〈寂しい転変〉□〈𪐷い春〉□遇ひにきた・・・・・・□〈非議するもの〉□〈側面史〉□〈邂逅〉□〈聖ニコライ堂附近で〉□〈小さい異端者の思ひ出〉□〈視えないといふことが・・・・・・〉□〈恐慌〉□〈暗い絵本の註〉□〈架空の年代誌〉□〈寂しい太陽〉□〈反抗の沈められる時代〉□〈底知れない誘惑者〉□〈ドラマトウルギー〉□〈黙示〉□〈地上にきてゐる忍辱〉□〈告訣〉□〈都市街道〉□〈風景のない季節〉□〈愛を刻むうた〉□〈風をたずねる歌〉□〈花開くこと〉□〈虐げられた春〉□〈独りの道〉□〈旱天〉□〈通信〉□〈暗い春〉□〈夕べの時における都会〉□〈愛が自戒にかはるとき〉□〈春の日の自我像〉□〈小さな歌〉□〈真青な空のしたの街で〉□〈星のない夜も星のある夜も〉□〈海の手が都会を触れにくる〉□〈コミニストのための歌〉□〈信仰のないものの覚書〉□〈死を背にしたにんげんの構図〉□〈小さな街で在つたこと〉□〈時のある街と時のない街〉□〈辺疆地区〉□〈架空な春〉□〈色彩のある暮景のなかに〉□〈石材置場の詩〉□〈星の響きをきく歌〉□〈夕ぐれの歌〉□〈一九五一年晩春〉□〈星座のある風景〉□〈死の合間からの歌〉□〈女たちに告げる歌〉□〈鎮魂歌〉□〈暗い記録〉□〈ひとつの予感〉□〈物象のなかの季節〉□〈貧乏なY家の三男がうたふ歌〉□〈風が皮膚のなかを吹く〉□〈何故に愚行が赦されるか〉□〈風が夏を連れてくるわたしたちの処に〉□未生の混沌□ステイヴン・スペンダー□〈ああきみたち!〉□〈最終の日の歌〉□〈更に大きくなつた少女たちに与へる歌〉□〈享けない星のうた〉□〈時がわたしに告げた歌〉□〈暗い季節におけるわたしたちの自画像〉□〈五月の夜を記憶するための歌〉□〈星の敷かれた都会のうた〉□〈未来のない季節〉□〈五月と六月とのあひだの歌〉□〈星の視えなくなつた六月の夜の歌〉□〈炎のゆく空の歌〉□〈時がわたしの傍に死者を遺してゆく〉□〈友と訣れる時にうたふ歌〉□〈怒号と運命とが一緒にきた〉□〈鎮魂的なる〉□〈長雨期〉□〈重たい鳥の歌〉□〈五月の夜に思つたことの歌〉□〈閉ぢられた窓からの風景〉□〈時の深みに在つての歌〉□〈寂かな眼のある時刻〉□〈明らかにわたしたちは変つた〉□〈海のなかでの季節〉□〈夜がわたしたちの周囲に降りてくる〉□〈形態のない危機〉□〈或る晴れた五月の夜に〉□〈夏のなかでうたふ歌〉□〈われらの街の黄昏の歌〉□〈眼のある季節〉□〈都会の女たちのための歌〉□〈六月の憂愁について〉□〈わたしたちの自戒の歌〉□〈ゆえいの季節における手記〉□〈わたしたちの夜の追憶のうた〉□〈曙のなかの星たちの歌〉□〈架空な未来に祈る歌〉□〈砲火に抗ふものの歌〉□〈乾いた風と砲火の夜〉□〈流亡と救済〉□〈わたしたちの生のための六月の歌〉□〈戦士のための交響的な判断からなる詩〉□〈六月の風に対つてうたふ歌〉□〈青葉と敗北の日のうた〉□〈風が燃える日の歌〉□〈病者から病者への歌〉□〈小さな空のなかの暗い空洞〉□〈知られざる歌〉□〈流寓〉□〈物語を遺さない者のために〉□〈われらの未来と暗さをうたふために〉□〈愛する者のために記された詩の一部〉□〈敗者となつた兵士たちを回想する歌〉□〈酒場のある街の夕べから〉□〈不遇な愛のために書かれた詩の一部〉□〈午後の歌〉□〈多様な夏のなかの一つのうた〉□〈美しく優しい歌〉□〈連鎖〉□〈緑の季節の思想から〉□〈何を夏の夜に信じたか〉□〈夏の終りのうた〉□〈苦しい夜の詩の一部から〉□〈死霊〉□〈都会での擬抒情歌〉□〈憩ひのない夜の間に記したうた〉□〈残酷詩篇〉[鳥獣は狂気になつて・・・・・・]□〈自由な夜のために書かれた詩の一部〉[知られない夜のしたで・・・・・・]□〈自由な夜のために歌はれた詩の一部〉□〈星をあつめる歌〉□〈対置風に書かれた星のうた〉□〈辺疆の地からの歌〉□〈都会の触手〉□〈わたしたちの望みを描いた詩の一部〉□〈暗い季節〉□〈火圏〉□〈自由な夜のために書かれた詩の一部〉[あきらかにすべては・・・・・・]□〈一九五一年夏に記したうた〉□〈わたしたちの星に寄せる歌〉□〈檻の季節〉□〈夜の広場〉□〈屈折の歌〉□〈自由な夜のために書かれた詩の一部〉[夕暮・・・・・・]□〈地球が区劃される〉□〈幻影から生れた女〉□〈自由な夜のために書かれた詩の一部〉[おまへのほうへ・・・・・・]□〈秋に似たうた〉□〈九月のはじめの詩篇〉□〈自由な夜のために書かれた詩の一部〉―ランプのしたの三人の会話―□〈終末を感じる季節〉□〈意志のない遺言歌の一節〉□〈残酷詩篇〉[おう風が冷えるとき・・・・・・]□〈無心の歌〉□〈秋の忍辱のうた〉□〈異邦人にうりわたされた時のうた〉□〈乾いた季節〉□〈夜の河〉□〈売女Kが去つたときに贈るうた〉□〈自由な夜のために書かれた詩の一部〉[遠くまで追つてくる・・・・・・]□〈流転〉□〈道化の歌〉□〈動乱の季節〉□〈聴聞のうた〉□〈都会の秋のときの歌〉□〈自由な夜のために書かれた詩の一部〉[ひとつの約束が・・・・・・]□〈反抗と現実〉□〈都会の睡眠時〉□〈自由な夜のために書かれた詩の一部〉[それは氷雨のやむ夜・・・・・・]□〈九月のをはりの歌〉□〈一部の者たちのために書かれた詩篇〉□〈火の秋のうた〉―あるユーラシア人に―□ユーラシアの暗い太陽の下で―父と子のうた―□〈日光の乏しい季節〉□〈ユーラシアの暗い太陽の下で〉□〈晨と夕ぐれとに祈ることを拒否する歌〉□〈夕ぐれと夜と晨との歌〉□〈困難は暗いといふことではない〉□〈宿無しの女のために書かれた詩〉□〈愛なき者がうたつたうた〉□〈わたしたちの魂の鎮めのためのうたの一部〉□〈忘れてのちに彼等は何処に〉□〈夜は異邦のやうに〉□〈非詩的な詩人から詩的な女詩人へおくる晩秋の歌〉□〈忘れることのできないことの歌〉□〈兆候〉□〈後悔する時の歌〉□〈自由な夜のために書かれた詩の一部〉[遠くからは・・・・・・]□〈林のなかの暗い場処で〉□〈暗い(昏い)秋〉□〈シメオンの讃歌にかはる暗いうた〉□〈燃える季節〉□〈暗い記念碑〉□〈自由な夜のために書かれた詩の一部〉[秋□すべての運行には・・・・・・]□〈風景と智慧〉□〈また其処に夜がきたとき〉□〈わたしたちの魂の鎮めのうたの一部〉□〈褐色の時代〉□〈地の繋約〉□〈焰と死の秋〉□〈知られざる秋のうた〉□〈祝禱〉□〈深夜に目覚めてゐた時のうた〉□〈秋の炎〉□〈踏切番の歌〉□〈砂漠〉□〈夕べとなれば安息もある〉□〈風景と祈禱〉□〈夕べの風景・都会〉□〈向うから来た秋のために〉□〈自由な夜のために書かれた詩の一部〉[苛酷な秋が・・・・・・]□〈火山湖から帰つて〉□〈わたしたちの魂を鎮めるための詩の一部〉□〈わたしたちは退くことができない〉□〈赤い日が落ちかかつてゐた或時刻に〉□〈秋の飢餓のうた〉□〈眠ることなき者をして眠らしめよ〉□〈城砦〉□〈罪びとの罪の歌〉□〈冬に具へての詩の一部〉□〈積木と夕ぐれ〉□〈冬のうた街のうた死と荒廃のうた〉□〈記憶によつて回想された風景の詩〉□〈星と繋がれた歌〉□〈寂寥を巣にかへせ〉□〈鉄鎖と冬〉□〈冬にならない時のうた〉□〈冬の街角で画家に出遇つたとき感じたことのメモワアル〉□〈明日からはまた寂しくなる〉□〈雪が消えてまた来る季節〉□〈風と冬と奈落の土地〉□〈冬がはじまるときの歌〉

「日時計篇」以後

〈ぼくの言葉が戦乱と抗争する〉□〈独りであるぼくに来た春の歌〉□初収録 〈独りぽつちの春の歌〉□初収録 〈悲歌〉□〈ひとびとは美しい言葉でもつて〉□〈苛酷な審判〉□〈夕日がわたしたちの眠る風景のうへに〉□初収録 〈貨車〈ワゴン〉と日附けについての擬牧歌〉□〈時代のなかのひとつの死の歌〉□〈緑の季節と蹉てつの時刻〉□〈死者のために捧げられた弔詩〉□〈雨期の詩〉□初収録 〈暗い太陽とそのしたの路〉□〈夕ぐれごとの従属の歌〉□〈絶望はまだ近くにゐる〉□初収録 〈黙契〉□〈太陽が遠のく〉□初収録 〈蹉跌〉□初収録 〈ついにそれは来た・・・・・・〉□初収録 〈さてつの季節〉□〈われらの愛した悪は何処へいつた〉□〈運河のうへの太陽の歌〉□〈夜のつぎに破局がくる〉□〈ぼくの友だちによせるぼくのうた〉□初収録 〈冬〉□初収録 〈うしなはれた愛とその経路について〉□初収録 〈われわれの外がわからは〉□初収録 〈惨苦の語り手〉□初収録 〈失語症〉□初収録 〈時はちかづく〉□初収録 〈風が吹くたびに〉□初収録 〈ちひさな群へ〉□初収録 〈危地に立つひとびとへ〉□〈危地に立つ階級へ〉□〈死のむかふへ〉□初収録 〈それはうつくしいか〉□初収録 〈たのしい十字架〉□初収録 〈惨劇〉□初収録 〈いまはひとつの季節〉□〈救ひのない春〉□〈よりよい世界へ〉□〈危機に生き危機に死ぬ歌〉□〈韋駄天〉□〈一九五三年夏のための歌〉□〈青葉の蔭から〉□〈亡命〉□〈暗い地点で〉□――

II

〈手形〉——

III

初収録 Phenomenon of Bronze in Surface Coatings
解題(間宮幹彦)

「初収録」表示について

初収録 ・・・本全集に初収録&猫々堂刊『吉本隆明資料集』に収録
初収録 ・・・本全集に初収録

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