吉本隆明全集第26巻

1991-1995


単行本未収録6篇を収録

『ハイ・イメージ論』の続編「IV」ともいうべき『母型論』と中東湾岸戦争についての発言などを収める。単行本未収録6篇(「些事を読みとる」「鶴見さんのこと」「太宰治を思う」ほか)。

第27回配本 既刊 2021/08/26刊行

月報執筆者(順不同・敬称略)

吉本隆明さんについて

山崎哲

がめつい私的所有

菅原則生

形而上の形見

ハルノ宵子

ISBN 978-4-7949-7126-5 C0395
価格 定価7,150円
(本体6,500円+税10%)
判型・造本 A5判変型・上製
ページ数 554頁

26第26巻訂正・補記箇所 ■刊行後の訂正箇所です

五二七・上・18―19の間に、以下の文を補う。 安原顯は『マリ・クレール』から『リテレール』への『ハイ・イメージ論』連載の移転について次のように回想している。
「吉本隆明は、ぼくが『マリ・クレール』を離れた直後、「ぼくの『ハイ・イメージ論』のような原稿が居座って連載を続けていると、新体制に迷惑だろうから」との理由で、さっさと連載を降りてしまった(当然、社も新編集長も慰留などしなかった)。/言うまでもなくこの行為は、ぼくが『マリ・クレール』を去ったことへの一種の支援であり、僕は安原と仕事をしているのであって中央公論社ではないとの、友情の表明といってもいいかもしれない。そして『マリ・クレール』に連載してもらった『新・書物の解体学』を、ぼくの会社メタローグから処女出版するについても「安原さんが、中央公論社に手紙を出すより、ぼくが許可願いを出した方が角が立たないでしょう」と気を使ってくれ(有難し!)、「自分としてはこの本は安原にやろうと思う」との手紙を社長宛てに送ってくれもした(にもかかわらず、ぼくは社長に呼びつけられ、徹底的に叱られたが)。」
(「日本の言論界はなぜ喧嘩がないのか」、『別冊宝島EX 達人の論争』一九九四年五月二〇日、宝島社刊』
【単純な訂正二つ】
五三九・下・18 プログラム←パンフレット
五四二・下・21 『鳩よ!』←『鳩よ!』
【五四三・下・20の後に以下の文を補う。従って、544―545の解題文中の連載題の「芸」からカギカッコをはずす。】
(新連載の「芸」のカギカッコは第三回からはずされた。
補記(1)~(3)の考え方は

月報(編集部より)第26巻(第27回配本)(2021年8月)

*次回配本(第27巻)は、2021年12月下旬を予定しております。

(#記述事項は発刊時のものです)

I

母型論
 序
 母型論
 連環論
 大洋論
 異常論
 病気論 I
 病気論 II
 語母論
 贈与論
 定義論 I
 定義論 II
 起源論
 脱音現象論
 原了解論
 あとがき
 新版あとがき

II

中東の切迫[ニッポンの現在6]
中東湾岸戦争私論――理念の戦場はどこにあるのか――
中東戦争と太平洋戦争[ニッポンの現在8]
「芸」としてみた中東戦争
良寛書字――無意識のアンフォルメル――
濃密な圧力感を生命力とする映画――ベルイマン『牢獄』――初収録
はじめの高村光太郎[ニッポンの現在7]
気球の夢
「二十世紀末の日本文化を考える」
些事を読みとる初収録
思想を初源と根底から否定する――ニーチェ『偶像の黄昏/アンチクリスト』――初収録
泥酔の思い出
健康への関心
海老原博幸の死[ニッポンの現在9]
エロスに融ける良寛――瀬戸内寂聴『手毬』――
情況への発言――〈切実なもの〉とは何か――[一九九一年五月]
鶴見さんのこと初収録
上野公園の冬[ニッポンの現在10]
「父の像」
芸能人の話[ニッポンの現在11]
土井社会党の失点[ニッポンの現在12]
小川徹の死
衝撃の映像[ニッポンの現在13]
こんどソ連で起こったこと
『海からの光』と出遇ったこと
老齢ということ[ニッポンの現在14]
辰吉の試合と『愛される理由』[ニッポンの現在15]
中島みゆきという意味
修羅場を知った編集者――安原顯著『「編集者」の仕事』を読んで――初収録
ラフカディオ・ハーンとマルチニーク島[ニッポンの現在16]
軍国青年の五十年
ちいさな熊本論[ニッポンの現在17]
ビートたけしの映像

III

かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』論。
黒澤明『夢』『八月の狂詩曲(ラプソディー)』など。
大川隆法『太陽の法』論。
Mr.ホーキング、出番です。
つげ義春『無能の人』その他。
『日本語の真相』って何?
『生死を超える』は面白い
『男流文学論』は女流ワイ談でしょう
上田紀行『スリランカの悪魔払い』『トランスフォーメーション・ワークブック』
テレビ的事件(1)――『原理講論』の世界――
『国境の南、太陽の西』の眺め
テレビ的事件(2)――象徴になった婚約――
『磯野家の謎』東京サザエさん学会/編
大友克洋『AKIRA』1〜6
『マディソン郡の橋』はどうか
岩井克人『貨幣論』

IV

太宰治を思う初収録
対談を終わって初収録
『試行』第七〇号後記初収録


解題(間宮幹彦)

「初収録」表示について

初収録 ・・・本全集に初収録&猫々堂刊『吉本隆明資料集』に収録
初収録 ・・・本全集に初収録
初収録 ・・・上記以外の初収録

吉本隆明全集menu